クレジットカード各社『プレミアムカード』について

クレジットカード各社『プレミアムカード』について

何を隠そう、私は結構「カードオタク」である。
20年以上前からカードのサイトを運営していて、もう飽きたのでほったらかしではあるが、
当時は取材依頼が来たり、結構そこそこ有名なサイト、カードオタクであった。

以前はプレミアムカード市場というと、
・アメリカンエキスプレス センチュリオンカード
・アメリカンエキスプレス プラチナカード
が独壇場で、そこにかろうじて
・ダイナースクラブ プレミアムカード
が「息も絶え絶え」という状況、過去の栄光にすがりながら、どうにかこうにか・・・という状況であった。

・JCBザ・クラス
なんてカードもあるにはあったけれども、所詮日本のドメスティックカードで、海外ではJCB事態が無名。
日本でもステータスの「ス」の字もない、という状況であったから、実質プレミアムカード市場はアメックスの独壇場であったと言っても過言ではないと思う。

ここに来て、かつてアメックスが「ゴールドカード」を出してカード市場に衝撃と革命を起こしたように、日本、海外のカード各社もあくまで「えせ」ではあるが「プラチナカード」をアメックスゴールドの猿まねしたときと同じように、猿まねで出し始めて、とうとう「アメックスセンチュリオン」の猿まねカードとして「ラグジュアリーカード」なる「金属製カード」がマスターカードブランドで出る事態となった。

さらにはそれを「猿まね」して、もう瀕死状態の日本ダイナースクラブが、そしてJCBがそれぞれ「プレミアムカード」と「ザ・クラス」の金属カードを「有料で」出すという事態になった。

非常に惨めである。

「猿まね」といっても、ラグジュアリーカードのそれは、まだ作りもしっかりしているしこだわりもある。
そして基本無料(会員はみな金属製カード)である。

しかし日本ダイナースクラブとJCBは、苦しいその懐事情を隠すこともなく「金属カードは有料」としている。

ダイナースはsumiトラストクラブに買収されてから会員減少の一途をたどり、買い取ったときは70万人超いた会員数が、現在は22万を切るほどにまで減少。
苦し紛れに「ロイヤルプレミアム」などという、センチュリオンカードより高いカードを出してみたものの、知名度皆無、リワード皆無、会員数も伸びていない。総崩れである。

日本ダイナースクラブがまたどこかに売り飛ばされるか、あるいはもうその価値もなくなってきているので、
買い取るところがない→実質潰れる、という台湾とか韓国のダイナースと同じ道をたどると思う。

実際、海外の高級ホテルでダイナースを出しても「なにこれ?」と言われたことは一度や二度ではない。
「デポジットはクレジットカードのみです」
「これ、クレジットカード、ダイナースクラブです・・・」
(係員通しでカードを裏返ししながら相談)
「ダイナース?はよくわかりませんが、とにかく使えません」
(自分、アメックスを出す)
「ちょっと!はじめっからこっち出してよ~アメックス、しかもプラチナなら部屋アップグレードするよ~」と言われたことは一度や二度ではない。

はっきりいう。
「ダイナースクラブは世界ではもうクレジットカードではない」
「高級な会員制クラブの証でもない」
「ただのプラスチックカード」

まぁ、イギリスの高級ホテルでも、EU各国でも、タイ王国でもベトナムでも、メキシコでも、名だたる高級ホテル、空港でこの有様だったから、ダイナースはもう潰れた方が早いのである。

一方JCBもプレミアムカードに力を注ぎ始めている。
松坂桃李氏をCMに起用し、新たなサービスも追加するらしい。
しかし、この会社もいい加減終わっている。
「日本発のカード会社らしく、日本らしいおもてなしを」とか言っているが大嘘もいいところだ。
年会費目当てにプラチナ、ザ・クラスと会員数を増やしすぎたために、デスクの営業時間を短縮、コンシェルジュ素人ばかりになり、なによりも感じが悪い。
驚いたのは先日「○○についてお願いできますか?」と伺ったところ、
「やってもいいですが・・・」と平気でいってきたことである。
「やってもいい」とは何様か。
「やるのはかまいませんが・・・・」と言ってきた女もいた。
言葉遣いから訓練し直したほうがよいと思う。
そして何より、依頼を受けながら「めんどくせーな」
「やりたくねーな」という雰囲気を遠慮なく醸し出してくる姿勢には毎度驚かされる。
JCBの責任者とか、役員レベルはこのていたらくを知っているのであろうか。

そして依頼した内容に関する回答もいたっていい加減。
「なにが日本らしいおもてなし」だ。クソ会社め、と思う。
はっきり言ってこのCM、このキャッチフレーズは大嘘だ。
さすが労働基準監督庁になんど注意されてもガン無視してきたブラック企業だけある。

海外での知名度は皆無(アジアでもいうほど知られていない。ほんの一部である)、
日本が唯一の頼みの綱なのに、こんな劣悪な態度では、もう終わりは近い。
JCBも、とっと潰れるか、日本のみに絞った方がいい。
これだけやって海外で知名度皆無なんだからお先真っ暗だ。

アメックスは先日プラチナカードの年会費を値上げした。
同時にサービス拡充も謳って入るがアメックスのことだ。

例によって年会費値上げ→サービス拡充→サービス拡充のための年会費値上げだったはずだったのに、
そのサービスはいつの間にか消滅→ただ単に年会費が上がっただけ、のお得意のパターンだろうが、
強気である。
なにせ国内外「プレミアムカード市場」では敵なしである。

鳴り物入りの「ラグジュアリーカード」も歴史と経験、
知名度があるアメックスには何をどうあがいても太刀打ちできない。
歴史ではアメックスに引けを取らないダイナースはもう沈没している。
沈没した船の中で、かろうじてみんなで酸素を分け合って生きているか死んでいるかわからない、という有様である。

日本のカード会社(プレミアムカード)は軒並み年会費値上げせず→サービスの大幅低下(特にデスクの営業時間と質)年会費値上げして→意味のわからないサービスをつけるがデスクの質は低下、という迷走状態である。

もう終わりだ。

ひどいのはセゾンプラチナのデスクで、これは一般カードのカードデスクと一緒になってしまった。
1時間電話がつながらないことなどざらである。

日本のカード会社はおとなしく「プレミアムカード市場」から撤退すべきではあるまいか。
このままでは会社の名を(そもそも大してないけど)汚すだけである。
そして恥もさらすことになっている。

「頑張りましたけど、アメックスの真似は『猿まね』もかないませんでした」
そう言っておとなしく撤退していった方が傷が少なくすむと私は思う。

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